ドヤドヤサー(鬼火たき)

正月明けの伝統行事「ドヤドヤサー」 
正月明け恒例の伝統行事「ドヤドヤサー」が1月7日、肝付町内之浦地区の下浜で行われた。「ドヤドヤサー」は無病息災、大漁、豊作、商売繁盛を祈願して、正月に使用した門松やしめ縄、お札やお守りなどを竹といっしょに燃やす「鬼火たき」の一種だ。神事の後、七歳児による火入れ式があり、火興しがスタート。12本に束ねられた中心竹のロープには12月までの札が付けられており、集まった人たちは自分の誕生札のロープを引っ張り、熱風の火照りを感じながら竹柱が燃え尽きて倒れるのを待った。勢いよく燃え上がる火柱で「ドンドン」と青竹がはじける度に歓声がわき起こっていた。竹柱が燃え尽きて倒れると人々は一斉に倒れた竹柱に駆け寄り、縁起物や魔除けとされる竹笹や飾りを取り合って、家に持ち帰った。 

肝付町の南方地区に伝わる「ドヤドヤサー」


七草を迎えた子どもたちも参加し会場が華やぐ。


12本に束ねられた中心竹にはそれぞれ12月までの札がつけられており、集まった人たちは自分の誕生札のロープを引っ張って中心柱が倒れるのを見守る。 


勢いよく燃え上がる火柱で、青竹がはじける「爆音」で悪鬼を追い出す。火祭りの熱風を浴びると一年を通して健康に過ごせるという。 


柱が倒れると、飾りや竹笹は魔除けに、孟宗竹は花立てや貯金箱にする習わしがあり、大切に持ち帰られる。


青竹が花火のように「ドンドン」と音をたててはじける。「今年は音の鳴りもよく、いい年になりそうだ」と長老がつぶやく。「ドヤドヤ」の意味は?。倒れた竹柱の竹笹や竹筒、飾りは魔よけや縁起物として持ち帰られ、祭りは無事終了。



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  • 正月行事「臼おこし」

    鹿屋市吾平立元集落正月行事の「臼(うす)おこし」 
    元旦の夜、無病息災や五穀豊穣を祈願して正月の伝統行事「臼おこし」が行われた。育成会の親が見守る中、子ども達が「臼おこし」の歌をうたいながら集落内の全戸31戸を回り、餅やミカン、菓子などが振る舞われた。「臼おこし」は大隅半島で「臼ノ口明ケ」(うすのくちあけ)ともいい、かつては鹿屋から高山にかけて各地で行われていた。ここ、立元集落の「臼おこし」は100年以上の歴史と伝統があり、現在育成会を中心に子どもたちへ継承されてきている。

    鹿屋市吾平立元集落で行われた臼おこし風景


    臼に見立てた石や台を杵棒でたたき、「臼おこし」の歌をうたいながら各戸をまわる子どもたち。


    玄関や軒先には祝儀の餅やミカン、菓子などが置かれている。


    臼おこし動画編
    臼おこしの歌
    「年の初めの黄金のコンツをつきおこす
    コタコタコンコン
    うすはとつくい きねはなるかね かっぱからだけ
    コタコタコンコン
    ここはぶげんしゃ かねはザクザク
    コタコタコンコン」


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  • 弥五郎どん祭り2011

    曽於市大隅の弥五郎どん祭り(鹿児島県無形民俗文化財

    祭りの主人公、弥五郎どんは、身の丈4.85メートルもあり、一説によると、武内宿弥の化身あるいは隼人の酋長であるとされる伝説の巨人だ。境内では迫力ある弥五郎太鼓や示現流の演舞が奉納された。午後1時、浜下りが始まり、子供たちに引かれた弥五郎どんが約5kmにわたって市街地沿道を練り歩いた。街中沿道パレード最大の難所はJAそお鹿児島本所近く国道269号下の高架橋をくぐりぬける場面で弥五郎どんが体を傾ける"イナバウ­アー"が見せ場だ。今年は弥五郎どんの後ろに付きそう大傘が十五年ぶりに補修され、装いを新たにした祭りとなった。
    探訪日 2011年11月3日


    弥五郎どん浜下り風景


    15年振りに新装となった大傘が弥五郎どんの後に付きそう。


    街の沿道を練り歩く弥五郎どん


    弥五郎どん祭り奉納太鼓。迫力ある弥五郎太鼓の動画


    弥五郎どんの浜下り。弥五郎どんが"イナバウアー"をするって本当?この動画を見ればよくわかる。


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  • 笠野原十五夜綱引大祭

    鹿屋市笠野原町の伝統行事「十五夜大綱引き大祭」

    鹿屋市笠野原町の伝統行事「十五夜大綱引き」が9月10日に開催された。五穀豊穣、家内安全等を祈願して江戸時代から続くとされる伝統行事だ。以前は道路で行われていたそうだが交通事情により現在の笠野原公園でおこなわれるようになって今年で15年めになるという。夕方5時すぎになると出店や祭りの準備も整い、演芸大会、相撲大会がスタート。町内の男衆18人がが四日間かけて編み上げた大綱は、重さ1.5トン、直径40cm、長さ約70mにもおよぶ力作だ。日が沈み、満月が東の空に上がりかけた頃、ホラ貝の合図で一回目がスタート。綱引きには特別なルールはなく住民だけでなく老若男女、誰もが自由に参加できた。この夜は町内外から沢山の人出があり、中秋の名月を観賞しながら、綱引き、演芸大会の十五夜行事を楽しんだ。

    ホラ貝の合図でスタート

    大綱引き風景

    大綱引き風景

    大綱引き風景動画編


    盛り上がる十五夜演芸大会の会場風景

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  • 高須町祇園祭・刀舞

    鹿屋市高須町伝統行事の祇園祭(おぎおんさあ)・刀舞(かっなめ)
    高須町伝統行事の祇園祭・刀舞は五穀豊穣、悪疫退散、子供の健全な成長と町の活性化を図る目的で毎年開催され、今年は7月31日(日)に開催された。
    祇園祭(おぎおんさあ)で行われる刀舞(かっなめ)は、祇園祭の山車の代わりに行われ、全国的にもめずらしい神楽舞だ。刀舞(かたなまい)、弓舞(ゆみまい)、長刀舞(なぎなたまい)、田の神舞(たのかんまい)、鬼神舞(きじんまい)の5段で構成され、御輿と共に町内を練り歩きながら踊る。
    波之上神社で神事・刀舞奉納後、花火の合図で町内巡行がスタート。太鼓を打ち鳴らしながら進み、大通りの要所で整列し、万葉和歌の朗詠後、5つの舞が同時に舞われる。舞が終わると同時に怖い鬼神の面を被った屈強な男4人衆が観客の中の親に抱かれた幼児を見つけては、わざと奇声をあげ幼児が泣き出すまで脅す(稚児泣かせ)。幼児が鬼神面に驚いて泣き出すと親や見物人は大笑いとなり、祭りが一気に盛り上がる。平成13年、市の無形民俗文化財に指定され、高須町刀舞伝承保存会によって継承されている。

    祇園祭(おぎおんさあ)・刀舞(かっなめ)


    長刀舞(なぎなたまい)


    弓舞(ゆみまい)


    鬼神舞(きじんまい)


    刀舞行列の鬼神面


    鬼神面に驚いて泣き出す幼児


    刀舞動画編


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  • 志布志お釈迦祭り

    志布志市志布志の伝統行事お釈迦祭り
    志布志の伝統行事、お釈迦(しゃか)祭りが4月29日開催された。祭りは宝満寺一帯、商店街沿道を中心に開催され。近郷近在からたくさんの参拝客や見物人で賑わった。昨年は口蹄疫影響で中止され、二年ぶりの開催となった。今年は「がんばろう東日本 がんばろう日本 復興支援お釈迦祭り」をスローガンとして実施された。祭りでは花嫁を馬の背に乗せ、花婿が手綱をひく5組のシャンシャン馬行列が行われた。境内では花々で屋根を飾った花御堂の中に、釈迦の立像を安置し、参拝人が小さな竹の杓子で立像に甘茶を注ぎ一年の無病息災を願う人々で人垣ができていた。境内や歩行者天国の特別ステージでは太鼓や踊り、演芸等の発表等があり、志布志の町は一日中祭り一色に包まれた。


    新婚の花嫁を鈴をかけて飾った馬に横向きに乗せて、花婿が口をとってパレードするシャンシャン馬。


    志布志お釈迦祭りの太鼓パレードとシャンシャン馬風景。


    元来はお釈迦の誕生を祝う灌仏会で4月8日に開催され「花祭り」とも呼ばれていた。花々で屋根を飾った花御堂の中に、釈迦の立像を安置し、参拝人が小さな竹の柄杓で、立像に甘茶を注ぐ。


    境内の特別ステージや商店街ステージでは演芸発表や歌謡ショウなどが賑やかに繰り広げられる。


    沿道は稚児行列や踊り連が繰り出し、街中が涌く。


    宝満橋の祈りのともしび。「復興支援 お釈迦祭り」をスローガンにして実施された今年のお釈迦祭り。宝満橋や宝満寺周辺を中心に「祈りのともしび・点灯セレモニー」があった。

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  • 鹿屋市山宮神社春祭り

    大隅半島には、志布志市田之浦、志布志市安楽、鹿屋市串良の三箇所に山宮神社があり、それぞれの神社では豊作を祈願して春祭りが行われ、春の風物詩となっている。鹿屋市山宮神社は鹿屋市串良町細山田にあり、春祭りに伴う「カギ引き」、「田打ち」、「正月踊り(棒踊り)」が鹿児島県指定無形民俗文化財に指定されている。神事のあと、堂園、馬掛、生栗須集落による勇壮な棒踊りが奉納される。「カギ引き」は、サクラやエノキなどの雄カギ(かぎ状の木)と雌カギ(二股になった木)を絡ませて引き合い、勝ち負けによって豊作を占う大隅半島によく見られる行事(神事)だ。「田打ち」は、太郎と次郎に扮した神官が、境内で木製の牛を引きながら田をならす。方言でユーモアを交えた所作が観衆の笑いを誘う。

    山宮神社春祭り「棒踊り」

  • <WEB版「串良山宮神社の春祭り」>