歴史探訪(南隅編)
ふるさと歴史探訪「史跡巡りと町歩き」(南大隅町・錦江町編)
錦江町、南大隅町で2月26日・27日、南隅地区観光連絡協議会主催による「史跡巡りと町歩き」ツアーがあった。初日は南大隅町を中心に、佐多の石塔石像群、佐多旧薬園や台場公園の史跡回りと八島太郎生誕地の町歩き。二日目は錦江町の史跡巡りと花瀬の自然散策が主な内容だ。地域の専門家のくわしい案内と説明のもと、充実した史跡巡りと町歩きとなった。ツアーを通して、改めてふるさと大隅の自然や歴史・文化を知る良い機会となった。ちなみに錦江町は大根占町と田代町が合併し、南大隅町は、根占町と佐多町が合併して出来た町だ。両町とも肝属郡に属し、地理的にも歴史的にも深いつながりのある町で、近年、両町とも高齢化過疎が急速にすすんでいる。
- 佐多馬籠の石塔石像群: 馬籠の石塔石像群は、島津藩の真言禁制によって公然と真宗を信じることができなかったため、馬込、郡地区の信徒がここに集まって隠密に真宗を信じ念仏を唱えていたとも伝えられている。ここにある石塔の中でも三層塔は当地方のものでは一流とされている。
- 佐多郡の中世古石塔群: 禰寝氏4代の石塔(初代清重、二代清忠、三代清綱、四代清親とその夫人たちの墓塔)。この石塔群は禰寝氏二十四代清香が宝暦3年(1753)に「わが祖先の墓」として修造。
- 佐多旧薬園 佐多旧薬園(きゅうやくえん)は旧島津藩の薬園跡で、この園内にはリュウガン、レイシ、オオバゴムノキ、アカテツ、ガジュマル等、当時としては珍しい植物や薬草が栽培された場所で国指定の史跡となっている。
- 台場公園 台場は、江戸時代末期に藩内の沿岸に築かれた砲台で、台場公園には薩英戦争のなごりを残す砲台(レプリカ)が復元展示されている。
- 宇都の板碑 西応六年(1293)の紀年銘があり、本県最古の板碑とされる。禰寝四代清親時代の建立である。
- 禰寝(ねじめ)氏累代の墓
- 久保の田の神 台に団子と餅を彫刻、右手に杓子(しゃくし)、左手に摺子木(すりこぎ)を持つ。高さ147cmの堂々とした田の神で 亨保16年(1731)9月8日に建立。大隅半島では最も古く、県下では19番目に古い。県指定文化財(昭和43年12月)、川北鬼丸神社参道の端にある。
- 南蛮大楠 南蛮船係留の大クスは、雄川の河口から上流百約500m、塩入橋の北岸に立つ。このクスは、幹廻り9.8m、樹高17mの大楠で、地元では塩入橋の「千年大クス」とか「南蛮船係留の大クス」とも呼ばれる。この大クスは、南大隅町根占の歴史を長く見守ってきた老木で、南蛮貿易の遺跡として、町の指定文化財(天然記念物)となっている。
- 西郷隆盛の宿泊の宿 屋根が瓦に葺き替えられているがこの家には西郷が書いた掛け軸や愛用の火鉢、きゅうす、石風呂、顔を洗った手水鉢、さらに西郷の猟銃が暴発したときの弾の跡が残っている。
- 花瀬の歴史散策 お昼は地区の交流施設「はなせでんしろう館」で昼食。「うんめもんの会」の母ちゃんたちの手作りお弁当が格別おいしかった。昼食後、お茶亭跡、花瀬石畳、花瀬神社、猪鹿倉集落、日枝神社等を歩きながら歴史散策。
- 花瀬自然公園 大隅南部県立自然公園内の花瀬川の川床は、幅約100m、距離約2kmにわたって、千畳敷の石畳が続き、美しい景観をなす。清流に沿って遊歩道が整備され、四季折々の景観を楽しむことができる。公園全体がレクレーション村として整備され、毎年4月の第一日曜日に花瀬公園まつりが盛大に開催される。
- 花瀬のお茶亭跡 名勝地「花瀬」には、島津18代久光・二十四代重年・二十八代斉彬も来遊し、14個の釜を湯わかし・煮炊きに利用したとされる。その釜跡が「お茶亭跡」として保存されている。
- 神川大滝 神川の大滝は、落差25m、幅35m程で規模、景観ともに県内屈指の滝だ。滝の壁面には柱状節理と伏流水が見られ、壮観な風情を醸し出している。大滝橋から眺める大滝の風景は絶景だ。